【Photoshop】Raya Proで露出ブレンドする
シャドウをブレンドする
次はシャドウのルミノシティマスクを作成してシャドウをブレンドしてみます。ポイントについて簡単にまとめます。ハイライトのブレンドとは操作が違う部分があるのでご注意ください。
露出オーバーの画像を選択し、「Blend Bright Exposure」の「Start」を選択
1〜6までルミノシティマスクが作成されるので適切な選択範囲を選択する
Fixレイヤーでレベル補正して「Select」で決定
標準露出を基準にすると、シャドウをブレンドするために必要なのは露出オーバーの画像です。標準露出で黒つぶれしてしまっている部分を露出オーバーのシャドウ部分のみ選択することで白とびや黒つぶれのない諧調が滑らかな写真を作成することができます。露出アンダーの写真からシャドウの選択部分を作成してしまうと黒つぶれが悪化しますので間違えないようにしてください。
今回はシャドウをブレンドするステップですので、先ほど作成した「Dark」関連のレイヤーは非表示にして(左側に目のようなマークをオンオフすることで表示・非表示の切り替えができます)「Bright」レイヤーを選択した状態にしておきます。
露出オーバーの画像からルミノシティマスクを作成するので「Blend Bright Exposure」を選択し、「Start」をクリックします。明るい写真→Bright Exposureと覚えておいてもよいかも知れません。
「Start」をクリックすると白黒のマスク表示になります。レイヤーマスクでは白が表示部分、黒が非表示部分なので白い部分のみ選択範囲として残ります。Raya Pro 3.0では「Quick Blending」を「Start」すると、レベル補正でマスク部分の微調整もできるようになりました。必要に応じてスライダーを動かして選択範囲の調整をします。後ほど1〜6まで選択できるようになっているのでわからなかったり、迷ってしまった場合はデフォルトのままでも問題ないかと思います。マスクの微調整が終わったら「OK」を押します。
ハイライトのブレンドと表示が異なりますが、自動で1〜6のルミノシティマスクが作成されます。
この状態だと仮のマスクになりますので1〜6のマスクの中から好きなように選択することができます。
<Blending 1>
<Blending 6>
1と6ではこれくらいの差が出てきます。自然な仕上がりを目指す場合は中間くらいがよいかも知れません。好きなマスクを選んだら「Select」で決定します。今回は1のマスクを選択しました。
シャドウのブレンドでは「Fix」レイヤーでレベル補正をする
シャドウのブレンドではレベル補正で明るさの調整ができます。シャドウのブレンドでは不自然なブレンドになることも多かったのでRaya Pro 3.0から改良されているようです。明るさの調整には「Fix」レイヤーの赤枠で囲ったところを選択し、上のレベル補正パネルを使用します。点が3つありますが左がハイライト、真ん中が中間調、右がシャドウになります。スライダーを左に動かすと明るく、右に動かすと暗くなります。トーンカーブなどとは配置が逆になるので注意してください。
今回は右側のシャドウ部分を左に動かして少しシャドウを明るくしました。微調整が終わったら「Select」で決定します。
実際に作成されたマスクはこのようになります。
これでシャドウのブレンドは完了ですが、レイヤーが多いと分かりづらいですし、動作も重くなってしまうので表示されているレイヤーを選択して、「右クリック」→「表示レイヤーを結合」(ショートカットは「command+shift+E(WindowsではCtrl+Shift+E)」)でまとめてしまうのがスマートです。
HDR画像を作成する
Raya Proを用いたHDR画像の作成はハイライトのブレンドとシャドウのブレンドを組み合わせます。標準露出の画像に対して露出アンダーの画像のハイライト、露出オーバーの画像のシャドウをブレンドすることでHDR作成ソフトとは違ったノイズの少ないHDR画像を作成することができます。
露出ブレンドした画像をさらにレタッチすることも可能で、より完成度の高い作品に仕上げることができます。
手順のおさらい
ハイライトをブレンドする
露出アンダーの画像を選択し、「Blend Dark Exposure」の「Start」を選択
1〜6までルミノシティマスクが作成されるので適切な選択範囲を選んで「Select」で決定
シャドウをブレンドする
露出オーバーの画像を選択し、「Blend Bright Exposure」の「Start」を選択
1〜6までルミノシティマスクが作成されるので適切な選択範囲を選択する
Fixレイヤーでレベル補正して「Select」で決定
露出ブレンド完成画像
まとめ
Raya Proは有料ソフトにはなりますが海外では多用されている露出ブレンドソフトになります。簡単にルミノシティマスクを作成できるので私もよく使っています。風景写真を極めたい方にはオススメのプラグインになりますのでぜひ導入してみてください。
※有料ソフトに抵抗がある方は色域指定、画像操作でも同様の露出ブレンドが可能ですのでそちらもチャレンジしてみてください。