【Column】雪道の運転方法

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写真素材 PIXTA

 

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はじめに

 

今回は雪道の運転方法について書いてみたいと思います。普段の記事のテイストとは全く異なってしまい申し訳ないのですが、風景写真家であれば雪道を運転する機会も多々あるかと思いますので参考になればと思い記事にしてみました。

 

ちなみに私はレース経験あり(ジャンルとしてはちょっとマニアックなジムカーナですが)なので車をコントロールする方法の基礎は学んでいますし、若い頃は色々やらかしましたので(汗)、そういった面からお話できる部分もあるかと思います。

 

なお、雪道の運転は経験を積むことで、車(タイヤ)の限界を感じとる力が研ぎ澄まされて来ますが、車の動き(挙動)に対する理論も知っておくとより安全に運転できます。

 

レースでは車の「走る・曲がる・止まる」性能を限界まで引き出します。車(タイヤ)の限界付近での雑な操作はクラッシュに繋がる恐れがありますから、必然的にスムーズな操作が必要になってきます。よって、レースでの(基本的な)走らせ方を会得すれば一般道でもより安全、スムーズにロスなく走行することが可能です。今回はそのあたりの話も織り混ぜることができればよいと考えています。

 

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雪道の運転に必要な装備

 

・スタッドレスタイヤ(必須!)

・チェーン(2WDはあった方がよい)

・スコップ、スノーブラシ

 

本題に入る前にハード面的なところも書いておきます。雪道を運転するために用意しておくものですが、当然ながらスタッドレスは絶対です。カメラマンであれば車を運転する機会も多いので大丈夫かとは思いますが、くれぐれもノーマルタイヤで走らないでください。自分だけでなく周囲も危険に晒す可能性があります。また、近年増えているオールシーズンタイヤ(サイドウォールにM+Sの刻印があるもの)ですが、雪道の走行はエマージェンシー程度なのでできれば避けたいところです。

 

チェーンですが、もちろんあった方がよいです。ただ、装着方法も慣れていないと難しいので、個人的には4WDであれば無理して用意しなくてもよいと考えています。2WDは坂でスタック(立ち往生)する可能性があるので携行推奨です。

 

スコップ、スノーブラシはスタックした時や車に積もった雪を落とすのに使います。雪国では全車車に積んであると言っても過言ではないと思います。

 

他にも最近たまに起こる立ち往生によって閉じ込められた時用の備えも必要かと思いますが、今回は運転に関する内容なので割愛します。

 

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雪道の走破性が高い車

 

・4WD

・最低地上高が高い

 

雪道の走破性が高い車ですが、「4WD」、「最低地上高が高い」の2点に尽きると思います。ただし、雪道走破性とは前に進んでいけるポテンシャルのことで、減速時も有利になる訳ではないのでご注意下さい。

 

4WDは4輪全てが駆動し、前輪か後輪どちらかが滑っても駆動力が得られるので雪道でも安定して走行することができます。また、そのような方式のため坂路に強いのも特徴です。

 

最近地上高ですが、低いと轍(わだち)を通った時に車体下部を擦ってしまう可能性があります。それだけなら気にしない方もいるかも知れませんが(汗)、除雪されていない深雪に侵入してしまうと、車が埋まってしまい、最終的にはタイヤが浮いてしまう「亀の子状態」に・・・。こうなってしまうと自力での脱出は難しくなります。最低地上高は20cmくらいあれば比較的安心です。SUVは高めに設定されている場合が多いです。乗用車であれば15cmくらいは欲しいところです。

 

駆動方式についても少し説明させてください。ちなみに4WDなどと書いてあればよいのですがない場合もあります(AWDは4WDと同義)。そういった場合は玄人向けですが(汗)、ドライブシャフトのセンターナットを見ることで判断できます。センターナットが前後どちらも付いていれば4WDです。FFやFRはどちらかしか付いておらず、残りはただのハブになっています。

 

4WD(AWD)

 

4WDは常に4輪を駆動させることで安定したトラクションを得ることができます。どれか1輪 or 2輪が空転しても残りの駆動輪のおかげで前に進めるようになります。上り坂ではフロントの荷重が抜けやすく、スタックしやすいのですが4WDでは後輪がカバーしてくれるので坂路も安心です(絶対ではありませんが)。もちろん平地でも発進時の安定性は優れています。レースでは4WD車で滑った(例えばオーバーステア)場合、とりあえず進みたい方向にハンドルを切ってアクセルを踏んでおけ、と言われます(笑)。4WDのデメリットとしては、構造上車重が重くなってしまう点があります。制動力は駆動方式はほぼ関係なく(厳密に言うと4輪にエンジンブレーキがかかるので、2WDより抵抗はかかるのですが、それよりも車重が重いことの影響が大きい)、車重とタイヤのグリップ力に依存するので注意が必要です。4WDで事故を起こすのは、楽に走れてしまうからつい調子に乗ってしまう場合が多いからと言われていたりします(汗)。

 

4WDの方式には、「オンデマンド方式(スタンバイ方式)」、「フルタイム4WD」、「パートタイム4WD」がありオンデマンド方法はスリップしてから4WDに切り替わるシステムです。また、最近のSUVなどでは左右の差動を制限する「ブレーキLSD」を搭載する車種も増えてきています。

 

FF

 

FFはフロントエンジンフロントドライブです。駆動輪、操舵輪であるフロント側に荷重が乗りやすいので、4WDの次に雪道を運転しやすいと思います。ただし、上り坂ではフロントの荷重が抜けやすいのでスタックしやすい傾向になります。FF車でスタックした場合、チェーンを装着するか、かなり後ろまでバックして(後ろに進めれば)、助走を付けて乗り切るしかありません。私の親が昔2WDを乗っていた時は坂道を登れなくて何度も助走をつけてチャレンジしていた記憶があります(汗)。ただ、最近は年々暖冬傾向ですし、市街地用途であればFFでも問題ない場合も多いです。

 

FR

 

FRはフロントエンジンリアドライブで、雪道には適していないと言われています。低μ路ではアクセルを踏むとリアが滑り出しやすいため直進安定性に欠けるからです。ただし現在ではFR車といえば一部のスポーツカーくらいになってしまっています。

 

MR、RR

 

MR・・・ホンダS660、ホンダNSXなど

RR・・・ポルシェ

 

これらは所有割合が少ないので割愛します。ポルシェ欲しいです(笑)。

 

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雪道での運転の基本

 

雪道での運転の基本は「急な操作をしない」ことに尽きます。「走る、曲がる、止まる」に分けて解説していきたいと思います。レースで培った話も入れてあります。

 

走る(アクセル)

 

アクセル操作を急に行うと雪道(特に凍結路)では簡単にスリップしてしまいます。最近の車は空転防止システム(トラクションコントロールシステム)が付いていて、もしスリップしてもすぐ復帰するとは思いますが、アクセル操作はふんわりやさしく、が基本です。発進時の目安としては、「5秒で20km/h」くらいがよいでしょう。発進時、マニュアル車やパドルシフト搭載車は2速発進も(昔から)推奨されています。高いギヤの方がトルク変動が少なくなるからです。アクセル開度(ペダルの踏み具合)はなるべく細かく制御した方がいいです。アクセルON/OFFが激しい人をたまに見かけますが滑りやすいと思いますし、同乗者はかなり不快です。ただし、イレギュラーとして、2WD車が坂路を登れなさそうな時、わざとアクセルのON/OFFを激しく、「ウォン〜ウォン〜」とすると多少走破しやすくなります(説明がわかりにくくてすみません)。アクセル開度については「頭文字Dで高橋涼介が啓介に5段階から10段階で〜」というくだりがありましたが(マニアックですみません)、個人的には無段階制御をマスターして欲しいと思っています。まずはアクセルを弱めて(完全にOFFにせず)減速できるくらいに細かく調整できるとよいでしょう。

 

曲がる(ステアリング)

 

カーブで曲がる時ですが、基本は「タイヤの限界を超えた速度では曲がれない」というのがあります。限界の速度については経験を積んだり、少し限界を超えてみないとわからない部分もあるかと思うので、原則スピードをかなり落とすことになります。カーブに侵入する手前のハンドルを切り始める前に十分にスピードを落としてください。ハンドルを切る際ですが、上記の通り急な操作は厳禁です。「早く遅く」切ることを心がけるとよいです。どういうことかというと、「手前から早めにじわじわとゆっくり遅くハンドルを切る」ということです。一般ドライバーは逆で、カーブギリギリで(遅く)急に(早く)ハンドルを切っている場合が多いのでこれを意識するだけでも安全、スムーズに走れるようになります。ハンドルを戻すときも手は離さずゆっくり戻してください。早めに切るには、視線を普段より先の方向に向けるのがポイントです。遠くを見渡すことで自然と早いタイミングでハンドルを切れるようになってくると思います。また、左カーブと右カーブですが、左カーブは内側を走るのでカーブがきつくなりますし、はみ出してしまうと対向車と衝突するので、左カーブには特に注意が必要です。なお、レースでは曲がる前のブレーキの抜き方にも注意が必要なのですが、雪道においては過剰なテクニックなので割愛します。

 

止まる(ブレーキ)

 

雪道で止まる場合、早めにブレーキをかけるのがポイントです。スピードが速い程タイヤはロックしにくいので踏み始めからある程度強めに踏んでもO.K.です。(雪道以外でも)完全停車前にブレーキをゆっくり抜く(離す)ことでスムーズに停車できますが(カックンブレーキの人はブレーキをゆっくり離していない)、ブレーキを抜き始めるタイミングを考慮してブレーキング開始ポイントを見極めてください。このあたりも経験を積まないとわからない部分もあるかと思いますが、慣れていなければ過剰なくらい早めの減速をお勧めします。判断を誤ってしまった場合、最近の車はABSが付いていますので思いっきり踏み続けてください(ABS作動中は、作動音とブレーキペダルが小刻みに動く現象が出ます)。後は天に祈るのみです(汗)。教習所でポンピングブレーキを習った方もいらっしゃるかも知れませんが、追突されたくない場合は有効かと思います。また、追突されないよう車間は空けておくのが望ましいです。先頭の場合も、交差点横方向から車が突っ込んでくる可能性があるので、できれば停止線手前で止まるのがよいと思います。また、完全停止ではないのですが、下り坂での減速にも注意が必要です。下り坂の場合慣性力の影響が大きいので、1度オーバースピードになってしまうと車の車重で止まらなくなってしまいます。私は下り坂は遅すぎるくらいスピードを落として慎重に走行するようにしています。

 

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路面状況のチェック

 

安全な場所で路面状況のチェックをすることで、あらかじめ安全速度を割り出しやすくなります。具体的には急ブレーキを踏んでロックするか確認する、直線でサイドブレーキを引く、停車中にドアから足を出してツルツル具合を確認する(笑)などが挙げられます。いずれも周囲に車や歩行者がいないか確認して自己責任で行ってください。

 

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スリップしてしまったら

 

スリップしてしまった場合、事故になってしまう可能性が高いですが、対向車などがいなければ立て直せるケースもあります。

 

アンダーステア

 

アンダーステアはカーブを曲がりきれずにはみ出してしまうことです。アンダーステアはオーバースピードが原因なのでブレーキを踏むしかありません。ただし、急ブレーキを踏むとスピンに繋がる可能性があるので強く踏みすぎないようにしてください。最近の車は横滑り防止システム(VSC、VDC、ESPなど)が付いているので装置がうまく働けば致命傷にはならないかも知れません。それでもはみ出てしまった場合、慣れないと難しいかも知れませんが、アンダーステアが出てもカーブの少し先を目標に曲がるイメージで行くとリカバリーしやすいです。あるいはブレーキをほんの少し離す(抜く)事で車の向きを変えることができる場合がありますが、慣れていないと難しいかも知れません。サイドブレーキを少し引いて向きを変えるテクニックもありますが、ハンドルを切っている方向に向けた横Gが発生していないと効果がないのでやみくもに引いても効果が薄いです。

 

オーバーステア

 

オーバーステアはリヤが滑ったりしてカーブの内側に行きすぎてしまうケースです。何もしないとスピンしてしまいます。オーバーステアの対処法はただ1つで「カウンターステア」しかありません。向いている方向と逆方向にハンドルを切るのですが、ハンドルの切り初めが遅かったりすると、クイっと反対を向いてしまいます(いわゆるお釣りをもらう)。オーバーステアを経験したことのない方は完全に運任せなのですが、できることとすればゆっくりブレーキを踏んでスピンしながら止まることかと思います・・・。私もレース始めたての頃は、オーバーステアが出たらスピンして止まるように言われていました。遊びでスピンしたり、オーバーステアを出すには、少しオーバースピード気味で進入→ブレーキ→ハンドルを切る→ブレーキを少しだけ離して(抜いて)ノーズがインを向いた瞬間にもう1度ブレーキを踏むという手順で行います。

 

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スタック(立ち往生)した場合

 

スタックした場合、4WDであれば前後進を繰り返すことで脱出できる場合があります。無理だった場合や2WDでは、スタックしたタイヤの下に何か噛ませることでグリップが復活し脱出できる場合があります。タイヤ付近の雪かきをしてフロアマットや毛布、新聞紙などを敷いてみてください。それでもダメな場合や亀の子状態の場合はお手上げですので救援を呼びましょう。牽引ロープがあれば引っ張ってもらうのも1つの手段です。牽引ロープでダメでしたらレッカー業車等にウインチで引っ張ってもらうしかないと思います。

 

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まとめ

 

参考になったか自信がないのですが、自信の経験を踏まえて書いてみたのでご意見、ご感想などありましたらぜひよろしくお願いします。

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