レイヤーマスクで画像を部分的に合成する
合成写真というとまったく別の画像を合成するイメージのお持ちの方もいるかも知れませんが、風景写真では同じ構図の画像を合成するテクニックもよく使われます。例えば空が明るく、地面が暗い場合など事前に露出違いの画像を撮影して空のみ合成する、というような使い方がわかりやすいかと思います。
素材となる画像を用意する
まずは素材となる画像を用意します。上の画像はベース画像、下の画像はぼかしをかけてなめらかにした画像です。上の画像をベースとして、下の画像の水面のみ部分的に合成したいと思います。
Photoshopで画像をレイヤーとして開く
Photoshopで画像をレイヤーとして開きます。 Lightroomから開く場合複数の写真を選択後、右クリック→「他のツールで編集」→「 Photoshopでレイヤーとして開く」でレイヤーとして開けます。
Photoshopでは、ベース画像をコピーして編集を加え、その一部を合成するケースも多いです。レイヤーの順序はやりやすい方法で結構かと思いますが、私の場合ベース画像を最下層に配置して、その上から編集後の画像を重ねていくイメージで作業しています。
レイヤーのコピー;command(Ctrl)+J
レイヤーマスクの使用
白マスクは画像全体を表示→画像を部分的に隠す
黒マスクは画像全体を非表示→画像を部分的に表示する
白マスクの起動;画面右下の「マスクを追加」をクリック
黒マスクの起動;「option(Alt)」を押しながら、画面右下の「マスクを追加」をクリック
今回はぼかしをかけた画像をベース画像の上に重ねていくため、一旦すべて非表示(黒マスク)にしてからブラシで水面を表示させていくイメージになります。
ブラシツールで部分的に表示させていく
ブラシツールの起動;ショートカットキーの「B」
描画色(白);塗りつぶした部分が表示される
描画色(黒);塗りつぶした部分が非表示になる
描画色(白)/描画色(黒)の切り替え;ショートカットキーの「X」

ブラシツールで画像を部分的に表示/非表示させる際、上記赤枠の「レイヤーマスク」を選択した状態で行ってください。左側の画像のところを選択した状態だと通常のブラシで画像に色が塗られていってしまいます。

白ブラシで塗りつぶし、ぼかしをかけた画像の水面を表示させていきます。ベース画像を非表示にするとどれくらい白ブラシの効果がかかっているか確認することができます。
レイヤーの表示/非表示;レイヤーパネルのアイマークをon/off


上記赤枠の「レイヤーマスク」を「option(Alt)」を押しながらクリックするとウインドウが白黒表示に変わり、より細かく表示/非表示部分を確認できます。
やりすぎた場合は反対のブラシで調整
境界線はなるべく自然にしたいので、やりすぎてしまった場合は反対のブラシで調整します。今回は水面以外の部分はぼかしをかけたくないので黒ブラシに変更して非表示にしていきます。境界線を微調整したら部分的に合成した画像の完成となります。
描画色(白)/描画色(黒)の切り替え;ショートカットキーの「X」
完成画像
まとめ
風景写真のレタッチでは画像を部分的に合成することで仕上がりを美しくしたり、見たままの景色に近づけることができます。レイヤーマスクは慣れるまでは少し難しいかもしれませんが、慣れてしまえば簡単に部分的な合成が可能になるのでぜひ挑戦してみてください。